PayPalは「Pay with Crypto(暗号資産で支払う)」という新たな機能を導入しました。これは、デジタル通貨を日常の商取引に統合し、加盟店の決済手段を拡充する重要な拡張であり、今後の第2四半期決算発表を控えての動きです。この新機能により、米国内の加盟店はビットコイン、イーサリアム、ソラナ、USDT、USDC、XRPなど100種類以上の暗号資産で決済を受け付けることが可能になります。さらに、Coinbase、MetaMask、OKX、Binance、Kraken、Phantom、Exodusなど主要なデジタルウォレットとシームレスに連携でき、PayPalは加盟店向けの暗号資産普及において最前線に立つことを目指しています。
特筆すべきは、顧客が暗号資産で支払った場合でも、決済プロセス中に自動的にPayPalのステーブルコイン(PYUSD)や現地通貨に変換される点です。これにより、暗号資産にありがちな価格変動リスクが排除され、加盟店は希望する通貨で正確な金額を受け取ることができます。さらに、取引手数料はわずか0.99%に設定されており、一般的なクレジットカード決済手数料に比べて大幅なコスト削減が期待できます。
PayPalのこの取り組みは、従来の国際決済ソリューションに代わるより迅速かつ低コストな選択肢を提供することで、グローバルな商取引の利便性を高めることを目指しています。即時の決済処理や手続きの簡素化により、加盟店は通常の国際送金や為替手数料、複雑な手続きを気にすることなく、世界各国の顧客と取引することが可能になります。加えて、ステーブルコイン保有者への暗号資産リワードや、デジタル資産管理の統合強化といった報酬や新たな収益機会も提供されます。
この拡張は、暗号資産を投資手段だけでなく、消費者や企業にとって日常的な交換手段として実用化する、というPayPalの中長期戦略を強化するものです。今後も世界中の決済事業者やウォレットプロバイダーとの連携を進めることで、「Pay with Crypto」機能はデジタル資産の実用化と普及をさらに加速させていくことが期待されています。