ホワイトハウス、米国のイノベーション促進と規制の明確化を目指す包括的な暗号資産戦略を発表

ホワイトハウスは、米国の暗号資産分野におけるイノベーション促進と規制明確化を目指す包括的な戦略を発表しました。160ページを超えるこのデジタル資産報告書は、政権幹部で構成されたワーキンググループによってまとめられ、米国をデジタル金融分野の世界的リーダーに押し上げる「イノベーション重視」の姿勢への転換を強調しています。

本報告書の中心は、市場の発展、投資家保護、明確な監督をバランス良く両立させる「合理的な規制枠組み」の構築にあります。商品先物取引委員会(CFTC)と証券取引委員会(SEC)による協力体制の強化や、デジタル資産の分類(タクソノミー)の明確化が提言されています。提案によれば、CFTCが現物の仮想通貨市場やコモディティ型トークンを監督し、SECが証券型トークンを管轄します。この二重の監督体制により、規制の確実性を高め、技術および金融分野の健全な成長を後押しする狙いです。

また、マネーロンダリング対策の最新化や、進化するデジタル資産市場に合わせた税制改革の必要性も強調されています。最近成立したGENIUS法のような立法措置が、ステーブルコイン規制の基盤を築いており、議会では市場構造全体の改革に関する議論も活発化しています。報告書は、過度な政府監督を伴う中央銀行デジタル通貨(CBDC)には否定的な立場を示し、民間主導や分散型ソリューションの強化を支持しています。

政策の詳細な部分は今後も検討が進められますが、現時点の戦略は、リスク管理を適切に行いながらデジタル資産分野のイノベーションを推進するという強い意思表明といえます。業界関係者には、米国が世界的なデジタル金融の将来像を描く上で、政策決定者との積極的な対話参加が呼びかけられています。