暗号資産や民間宇宙産業の両分野にとって画期的な出来事がありました。著名な暗号起業家であり創設者のジャスティン・サン氏が、Blue Origin（ブルーオリジン）の最新サブオービタル宇宙飛行に参加しました。このミッション「NS-34」は、2025年8月3日にテキサス州西部のLaunch Site Oneから打ち上げられ、New Shepard（ニューシェパード）計画における第34回目の飛行、そして14回目の有人飛行を記録しました。

ジャスティン・サン氏は2021年にBlue Originの座席を2800万ドルで落札し、世界的な注目を集めました。今回の飛行には多様なクルーが同行しました。アメリカの不動産投資家アルヴィンダー・シン・バハル氏、トルコの実業家兼写真家ゴクハン・エルデム氏、プエルトリコの気象学者デボラ・マルトレル氏、カトマンズで孤児院を運営してきた人道活動家リオネル・ピッチフォード氏、そして2度目のBlue Origin宇宙飛行となる起業家ジェームズ（J.D.）ラッセル氏が含まれています。

ミッションはBlue Originの確立されたサブオービタル飛行経路をたどり、乗員をカーマンライン（地球上空100キロメートルに設定された国際的な宇宙の境界線）を越えて運びました。完全自律型のNew Shepard機体は、乗員たちに数分間の無重力体験と、宇宙の縁から見下ろす地球の絶景を提供。その後、安全に地表へ帰還しました。サン氏が落札時に支払った2800万ドルの収益は、その後19の宇宙関連慈善団体に寄付され、科学・技術・工学・芸術・数学（STEAM）分野の次世代人材育成を支援しています。

今回の成功により、Blue Originは民間有人宇宙飛行の商業化をさらに加速させています。これまでにカーマンラインを越えた宇宙飛行士の数は70名となりました。こうしたミッションに著名なビジネスリーダーや慈善家が参加することで、富とテクノロジー、そして人類の探究心が交差する場が拡大しつつあります。これは、民間セクターの宇宙活動への新たな関与の前例を築くものです。